ふたつの瞳  後編

相変わらず、たまに霊との遭遇をこなしながら、大学生活を謳歌していたとき、
母方のおばあちゃんが亡くなった。
あまり、人様に言えたことではないけど死因は自殺だった。
俺はよく知らないけど、嫁姑問題があったのは事実。
ばあちゃんはそれはもう俺らには、優しくて楽しくて、元気な人だった。
その分気も強くじいちゃんよりパワーがあったほど。
そのばあちゃんが嫁と折り合いが悪く、嫁にいじめられた仕返しに恨みつらみを綴り、自殺したと聞かされた。

ばあちゃん・・・・悔しかったんだな。
死んでから母さんとおじさん夫婦とが喧嘩ばかり。
オヤジも間に入ったけどそう簡単なことは収まらず、結局絶縁状態に突入。

そのおじさんも定年になってすぐに病気で亡くなった。
ある意味、ばあちゃんが嫁に一撃加えたみたいで、自分の可愛い息子を取り戻したんだって
俺は思った。

俺に異変が起きたのはおじちゃんが死んですぐのことだった。
大学を卒業して、親元を離れ一人暮らししてて、もちろんじゅんすやちゃんみんとは
ずっと友達だったからしょっちゅう、うちに入り浸っていた。
ある日も酒飲んで、酩酊状態で寝たのにも関わらず、俺だけ眠れなかった。

ベットで眼を瞑るけど頭は冴えるばっかり。
夜中の3時を過ぎた頃に急に金縛りになった。

久しぶりに霊が何か来たのか?って思いながらも
リビングで行き倒れ状態の奴らに申し訳ないな・・って思える自分もいた。

「だれ??」

そっと声をかけたら枕元に小さな女性が膝を丸めてうずくまって泣いていた。

どこか覚えのある匂いがしたその女性。
もう一度声をかけたら顔を上げてくれて

「ゆちょなぁ。。。。ごめんね」

え!!
俺の名前知ってる霊って?

金縛りが一気に解けて座って真正面に見たら死んだはずのばあちゃんだった。

うれしくてうれしくて、ばあちゃんに抱きついたけど実態はなかった。
ばあちゃんが揺れるだけ。
でもばあちゃんは俺の手を握ってくれた。
触られてる感じはないけど、どことなくぽわーーんと暖かい。

なんでここにいるのか?
なんで泣いてるのか?
聞きたいこといっぱいだけど、泣き止むまでじっと待った。

ばあちゃんの話はこういうこと。

おじちゃんが死んで(その数年前にはじいちゃんも天命を全うしてる)親子でまた暮らせると思って
迎えに行ったけど、じいちゃんとおじちゃんのところには行けなかったそうだ。
じいちゃんとおじちゃんは一緒にいて、呼んでるけどばあちゃんは行けない。
そう、ばあちゃんは自殺だ。
自分で殺めた命はそうやすやすと浄化されない。
天国に行けないって感じなのか、とにかく、一緒には過ごせないんだと。

どうしても天国に行きたければ、過酷で苦しい修行みたいなのをしないといけないらしい。
ばあちゃんは今それに挑んでるそうだ。
でも辛くて、苦しくて、痛くて・・・・
心が折れそうで毎晩こうやって泣いてたそうだ。
同じように天国を目指すものの中に、辛い時に慰めてくれる存在があるという話を聞いて
自分の肉親にも居ないか必死に探したそうな。
本当はかあさんのところに行きたかったけど、かあさんとは波長が合わず、
全くと言っていいほど気づいてもらえなかったって。
唯一波長が合致したのが俺!
その上、俺が見える能力を持ってるって分かって飛んできたらしい。
そして何をしてるかというと、苦しいのを聞いて欲しい、癒して欲しいそうだ。


この日から週一でばあちゃんは来るようになった。
来て、泣いて、愚痴聞いてあげて、最後は笑って帰っていく。
そんな日が3年ほど続いた。
ある日、にっこり笑ってばあちゃんがやって来た。
年季明けしたらしく、明日にはじいちゃんとおじちゃんが迎えに来てくれるって
嬉しい報告をしに来てくれた。
そしてもう二度とここには来れないということも。
ここで癒されていたことはお見通しだったらしく、頼っていたここは、ばあちゃんが天国に召されることで
記憶から消され、ばあちゃんの波長を変えるそうだ。
そうなると、俺とはもう繋がらない。
地獄の思い出は持って行ってはいけないのが前提なので仕方ないけど
俺とはなれるのは寂しいと肩を落としていた。

俺は別にここでばあちゃんと会えなくても夢であえたらいいんだしって
慰めたけど、ばあちゃんはここにもずっと居たかったって・・・・

(ずっと居てもらっても俺は困る)

とは言えないけど、三人で会いに来てって笑って送り出した。

その日からもう5年経つけど、ばあちゃんは現れないし、夢にも出てこない。
その代わり母さんの夢に出たって。3人で母さんを待ってるってさ。

こんな能力を持ってなんの得になるのか?って
ずっと思っていたけど、ばあちゃんが助かってよかった。
その後は何もいいことはない。

友人がへんな宗教に嵌っていると聞いてみんなで助けに行こうと乗り込んだら
あっちの偉いさんに強引に
「あなにはその道が見えるはずです。我々の道しるべとなってください」とか言われ
危うく、ミイラ取りがミイラになるとこだったり、
別の宗教団体に巡り逢えば必ず、勧誘される始末。
それも信者ではない、導く側だ。やなこった!!

そういうところに行くと気分が悪くなるのも俺が拒否ってる理由。
まっとうな宗教なら気分は悪くならない。
寺や神社にいっても大丈夫なのに、そういうところはダメだ。
吐き気がして、マジで吐いたり、頭が割れそうに痛くなったりと健康面を脅かすんだ。

極力そういうところは避け、おとなしく過ごすようにしてるけど、強い怨念や、パワーは受信しちゃう。
その都度、体を壊すけど、だんだんとその能力が薄れてきてる気がする。
自分からアンテナをonにしないと入ってこなくなったんだ。
自分なりのコントロールを覚えたともいうかな??
おかげでお盆ラッシュも前ほどしんどくないや。
ま・・・あれ以来お盆は海外に出るように心がけてる。海外にはお盆ないし、帰ってくる風習もないでしょ?!
遭遇する機会をなくせばこっちのもんだ。

一生消えてはくれない能力かもしんないけど
これも生まれ持った特技の一つとして俺が死ぬまでご一緒しないといけないのかもしれない。


俺には目が2種類ある。
ふたつの瞳。
ひとつの瞳には現実の世界が写る。
もうひとつの瞳にはあちらの世界が写る。
全て見えるわけではないけど、見ようと心を傾ければ簡単に見える。透ける。
波長が合えば会話ができる。
波長が合わなければ傍観することのみできる。
年を取るとともに見える範囲や透ける内容が濃くなってきてるが
この道を極めようとは思わない。
今でもどこからか湧いて出てくる勧誘。
人様のお葬式とかは苦手なのはそういうことからなのかもしれない。
成仏してても死んでから訴えたいことはみんな同じらしく
当たり前のように話しかけてくるんだ。
俺に話して楽になるならそれでもいい。でも俺の話は誰が聞いてくれるんだろう??
家族にもこの能力は話してないオレ。
いつの日かきれいすっぱり消えてくれたらとそれだけを願ってる。

でも、実際のところは日々・・・・・日々・・・・・遭遇する霊の数を増やしてます!

だれでもいい!!強い霊が俺の能力を浄化してほしいなぁ。。








登場人物はさておき・・・・

このお話は実話です。

寸分の狂いもなく、実話のみを文字に起こしています。

実体験です・・・( ´艸`)ムププ




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