未来のジュリエットへの手紙 1

「ジュリエットさまぁぁ!!どこぉぉぉ?」
「ジェジュアさま??お歌うたってくださーーい」

『おいで。みんなこっちにいらしゃいな。。あれ?ユチョナは?』

「ユチョナ、昨日からずっと泣いてるんだぁ。」

『どうして??なんで泣いているのか、みんなは知ってる?』

「知ってるよ。昨日の夜にかもめの大伯父さまが死んだんだって。春の旅が終わってから具合悪かったんだって」

「ゆちょなは大伯父が大好きで旅のお話を毎回聞いてすごく喜んでたからショックみたい」

「夜からずっと大伯父の巣の木に登って枝に腰掛けて泣いてるよ」

『そうなんだねぇ。じゃちょっと行ってくるよ。みんなは少しだけ待てるよね?」

「「「はーーーーーい。ここで待ってるよ、ジェジュアさまぁ」」」



『ゆちょなぁ。おれの大事なゆちょなぁ。迎えに来たよ。こっちにおいで、抱いてあげるよ』


「ジェジュア様・・・ぼく・・・」


『ほらほら、もう泣かないで。おれのところに来なさい。お話しようか。』

「ジェジュア様、大伯父が死んじゃったの。ぼくは大伯父の旅のお話が大好きで毎回旅から
 もどってくるのが楽しみだったんだ。波乱万丈の冒険話や、ドキドキのお話。
 もう。。聞けないよ。ジュリエット様。大伯父はどうして死んじゃったの??ぼくのおじいさま
 になってくれるって言ってくれたんだよ。ゆちょなはいい子だねって・・・わーーーーーん」

『よしよし。。もう泣くのはおよし。おれの話聞けるね。
 大伯父はゆちょなの事が本当に好きだったんだよ。昔ね、大伯父にも孫がいたんだ。
 ゆちょなと同じぐらいの背格好でね。心の優しい子だったよ。
 でも冬の旅の途中でおおわしに襲われて逃げ遅れたんだよ。
 他のカモメがここまで運んできたけど、もう虫の息でおれもユノ様もどうすることもできなかった。
 最後までみんなに謝っていたよ。迷惑かけてごめんなさい、ルート変えさせてごめんなさいってね。
 その子が死んでからは大伯父は旅に行かなくなってしまった。ずっと小屋に引きこもっていたんだ。
 みんな心配したけど心が落ち着くまでそっとしておこうってね。
 そんな時ゆちょなが大伯父の木の下で泣いてたんだよな。』

「うん。ぼくパパとママが急にいなくなってここに連れてこられて、最初ジュリエットジェジュア様も怖くて
 友達もいなくてさみしくて悲しくてとぼとぼ歩いていたらあの木の下で泣いちゃったんだ」

『うん、そうだったな。その声に大伯父が巣から顔を出して飛んで降りてきてお前を抱きしめてくれたっけ?』

「そうだよ。名前は?お前はどうして一人で泣くんだい?男の子だから泣いちゃダメだぞってずっと抱いてくれた」

『おれもユノ様もびっくりしたんだぞ。あの大伯父が巣から出てきて声を発していたからな。
 それからはお前が大伯父の巣に入り浸って懐いて、お前が旅の事を聞きたがると話してくれたっけ?
 次の春には大伯父が旅に参加したんだもんな。お前に新しい話を聞かせたいってな』

大伯父にそんな過去があったことぼくは知らなかった。
旅の話をせがんでばかりいたっけ??

『なぁ。。ゆちょな。もう泣くのはやめるんだよ。大伯父が泣いてばかりのゆちょな好きだったか??
 泣いてるゆちょなを抱きしめてくれたのは誰だ?それなのに今泣いてばかりだと大伯父も悲しむよ。
 大伯父はゆちょなのココにいるんだよ。ゆちょなが泣いてばかりだと大伯父も泣いちゃうんだよ。
 お前の笑顔が大好きな大伯父に毎日笑顔をみせてあげなきゃダメなんじゃないか?うん??』

「ジェジュア様。。。うん、明日からはもう泣かないよ。大伯父にゆちょなは立派になったねって
 言ってもらえるようにジェジュア様のお手伝いがんばるよ。」


『よしっ!それじゃ、みんなの所に行こうか?今日の午後にはくじら達が戻ってくる日だろ?
 ゆちょなのお友達のチャンミナの初めての遠征で帰ってくるんだからお迎えしないとなっ。
 ご馳走もいっぱい用意してあげないとあいつ目を吊り上げて怒るんじゃないか?』

「あ!今日でしたね。チャンミナのお話聞いてあげるって約束したから今晩は
 海辺で寝るんだった。。お迎えの用意も急がないと間に合わないね。すぐにしますぅ」


ジェジュアside

俺の可愛い未来のジュリエット候補の子達。
選ばれしものが俺のもとに集まるんだけど、ゆちょなは特別。
神からのお告げで無理やり両親から引き離されて納得せずにここに連れてきた。
両親も断腸の思いで手放したけど幼かったゆちょなには理解できないまま真実は伝えてない。
おれがジュリエットを引き受けたのは10年前。
前のジュリエット様が海の仲間を守るために自分の力を使いすぎて、お倒れになった。
完治すればジュリエット様の力は復活するのにおれにお役目を引き継がれた。
今は人魚になって歴代のジュリエット様と海全体を見守っておられる。
お役目を譲るのはジュリエット次第でいつでも構わない。
次の候補が引き受ければいいこと。海の仲間はジュリエットが決めた次期ジュリエットに
反旗は翻さない。それだけ権限は大きいんだけど、あまりに幼いと重圧に負けてしまうから
おれももう少し頑張っているんだ。
でも。。
おれも本当はお役目を譲りたいんだ。



「ねえねえゆちょな。。くじらさんたちのお迎え料理後どれぐらいいるかな?
 これで足りるよね??もう持てないぐらい机に並べたよぉね!」

「うーーーん、足りないんじゃないかな?あのチャンミナだよぉ。
 あっという間に平らげちゃうかも」

「えーーーーでも旅の途中につまみ食いしまくってるでしょ?きっとさぁ。。」

「あはははは。絶対だね。あいつはお腹がすくと機嫌悪いし動かないし、大きいくじらさんたちがどう宥めたのか
 帰ってきたらくじらのお父さんに聞かないとね。早く帰ってこないかな??」

「じゃ!もう少し食べ物用意しなくちゃ。ゆちょなは歓迎儀式の用意に行ってこいよ!」

「うん、それじゃジェジュア様の所に行ってくるよ。みんなも着替え済ませてね」



「ジェジュア様。ゆちょなです。儀式のお手伝いに来ました。おられますか??」


『わぁ!!!!なに??いま?ゆちょな???ちょっとまって。。服は??アレレ?』


「ジェジュア様??どうしたんですか??入りますよぉ」

『だめぇぇぇぇぇぇぇぇ。。。止まれ!!止まってゆちょなぁぁ。。」

「゚(゚´Д`゚)゚ なっ???すみません・・・・外に居ますぅ」


どうしよう?
忘れてた、もうこんな時間だ。
儀式の用意間に合わない。。
ユノ様・・・・ユノ様ってば起きてよぉ。 起きんかいっ!ヽ(`Д´)ノ

ふぁぁーーねむぅ。。
(^_^)/おはよー ジュリエット♪゜・*:.。. .。.:*・♪

早く帰ってよ。外にゆちょなが待ってるから、そっと窓から出ろよな。
なんで??
早く行けってばァ。。。ドンッ!!  いってぇぇぇ(つд⊂)


『ゆちょなぁ。。。いいよん!入っておいで。お待たせしたね。』

「あのぉぉぉぉ。。。いいんですか?カタン。
 ジュリエット様ぁ、、これなんですか??下着???誰の??大きいんだけど」

『わわわわわわわっ。おれの、おっれのだよぉ。。最近太ったからユルユルのにしたんだった』


「儀式の用意のお手伝いに来ました。着替えますか??衣装出してきます」

『うん、頼むね。おれは水浴びしてくる。ゆちょなの衣装も同じところに掛けてあるから出しておいで』


儀式の助手にゆちょなを付かせたのは今回から。
おれの次のジュリエットはゆちょなにと考えてる。でもまだ幼いし自覚がない。
そしてなによりも自分が信じてやまない力強い補佐をしてくれる相手がいない。
ジュリエットのそばで尽くして見守って、痛みを共有できるそんな魂の伴侶。
俺もいない時に引き継いだから大変だった。
今はユノ様がおられるけど秘密の関係だから公にできないしな。。
ユノ様は海王さま。普段は海の底におられて、海を守っておられる。
歴代のジュリエット様も海王さまのお側でお過ごしだ。
ちゃんとばれずに帰れたかな??鈍臭いから不安だな??はぁぁぁ


おかえりなさーーい。
おかえりぃぃぃ。
こっちだよぉぉぉ ちゃんみなぁ。僕ココだってば!!

『コレッ。ゆちょな。上座の横で騒がないこと。微笑んでじっとしなさいっ。』

「ごめんなさーーい。でもぉぉぉ。もう下行っていい??ねっ?ねぇ?」

『だめですっ。式典が終わるまで横に居なさい。膨れてもダメだからねッ(`・д・)σ メッ』

(`・ω・´)(`・ω・´)(`・ω・´)(`・ω・´)(`・ω・´)(`・ω・´)



退屈な長い儀式の式典が終わって、ぼくもヘンテコな衣装を脱いで海岸に走ってきたんだ。

ちゃんみなが既に食事中で、それもすごい勢いでかき込んでる。
ただでさえデカイ口なのに食べ物を詰め込めるだけ詰め込んで、飲み下してる。おエップ・・気持ち悪いな。

「チャンミナァ。。。お帰りなさい。旅はどうだった??危険なことはなかったの?体大丈夫??みたいだね」

「はいっ!!とっても元気ですよぉ。ただ道中お腹いっぱい食べれないからいつも空腹でちょっと痩せましたよ」

「そーーかな??出かける前より大きくなってるけど??いっぱい食べてね、もっと持ってこようか?」

「お願いします、大量になんでもOKですよぉ。夜にはゆちょなのところでお話聞かせてあげますから」


その夜ちゃんみなが僕の部屋に来てくれて、面白い話を聞かせてくれた。
途中でサメの団体と出会ったんだって。その中にとても小さいサメがいて泳ぎが遅くて
群れから離れててこのままだとはぐれてしまうと思ったくじらのリーダーが
サメのリーダーに助言したらサメのリーダーがびっくりしたって。その小さなサメはリーダーの
末息子でしっかり兄たちがフォローしてると思ってたらしい。
すっごく慌てたけど群れのスピードは緩められないから他のサメに先導頼んで息子のもとに行って
怒らないで背中に乗せて追いついてきたんだって。
子サメはもう泣いていて、泣きじゃくってお父さんの背中にしがみついていたそうだ。
チャンミナも最初の数日は同じでついていけなくて、ずっと遅れてみんなの尾ひれが見えなくなってきて
どうしようって思ったって。
そしたらイルカの家族がそばに来て、お父さんイルカが後ろを押してお母さんイルカが前を泳いで
波を避けてくれたって。子供のいるかが両脇に併走してくれてがんばれって励ましてくれたそうだ。
そのおかげで完全に見えなくなりそうな距離をあっという間に縮めて
みんなの群れに合流できて休憩ポイントでお別れしたって言ってた。
くじらはみんな大きいから強そうだけど、ちゃんみなのサイズだとまだまだ泳ぐスピードが足らなくて
はぐれるって海王さまが言っておられた。
それに気づいてフォローできる群れにいたらいいけど、気づかなかったらそのままはぐれて
一緒に帰ってこれないし、海王さまやジュリエット様が気づいて助けれ上げればいいけど
それも叶わなかったら命を落としてしまうこともあるんだ。
ちゃんみなが今回イルカに助けられたのは奇跡だよ。遠い位置だと海王さまもジュリエット様も
気づくのが遅くなるからね・・・
ちゃんみなはイルカにとても感謝してて、今度もしイルカが困っていたら絶対に助けるって言ってた。
ちゃんみなはとっても強くなって帰ってきた。
出かける前はこんなに強くなくてやさしい穏やかなクジラだったのになぁ。。
ぼくも成長しないといけない、泣いてばっかりいたってバレたら怒られそうだ。


クジラたちが戻ってきたら次々と群れが戻ってきたんだ。

何度も式典があるのでぼくらは大忙し。

かもめの群れも帰ってきた。大叔父はいないけど僕と同じぐらいのカモメが
お土産って綺麗な花の小枝を持って帰ってくれたんだ。
去年の旅の時に大叔父が来年咲いていたらゆちょなにって言ってたからって。
そのかもめさんとお友達になって大叔父に大きな声でありがとう言ったら
どこかで大叔父が笑った気がした。きっと喜んでくれてるよね。
今はそのかもめと一緒に次のお迎えの準備に大忙し!!

最後に帰ってくるのはイルカの大群。
その前にペンギンさんが大行列で帰ってくるので楽しみだなぁ。。
ペンギンさんは少ししかここにとどまらなくて、すぐに北に向かっちゃうから
ジュリエット様も大歓迎の用意に大忙し。海王さまも借り出されてさっきから
どっちが上なのかわかんないぐらいジュリエット様に怒られてるよ。。








スポンサーサイト

0 Comments

Leave a comment