amour de l'ange 最悪な出会い

桜が咲き誇る今日、講堂にはおめかししたちびっこが両親から離れて

緊張しながら椅子に座っています。

みんなとっても可愛くて中には泣き出しそうな子もチラホラ。

その中でもひときわ目立つちびっこが2人。



全身から光が出てるような神々しい出で立ちのゆちょんくん?

確かに着てる服はオトコの子仕様。でもお顔は美少女といっても決して見間違えでないほどの

愛らしさ。ちょっと目元が赤くて腫れてるには訳があります。それは後ほど・・・



通路を挟んでお隣に座るこちらも別の意味で目立ってるジュンスくん。

ざわざわとなんだか落ち着かないオーラを出してそこだけ異質な感じがします。

こちらはどこから見ても男の子。ちょっと衣装が似合ってないのとみんな

お手入れして今日だけは美しく梳かしてる羽根が既にヨレヨレ状態です。




今日はエンジェルハイスクールの入学式です。



ここに集まってるちびっこたちはみんな天使の親から生まれた天使の子供。

5歳になるまで自宅で両親と過ごします。

お勉強は自宅で家庭教師を付けるので同じ年の子供たちが一同に集まるのは

今日が初めてなのです。

生まれ持って天使の素質は備えてるけどそれを使いこなしコントロールするのはやはり

学校で習います。そして卒業するときには個人の素質と得手不得手を見極めて

将来の天使の役割に振り分けられます。

体力勝負のお仕事、癒し系のお仕事、はたまた大天使さまの補佐、医療関係、

そして一番難しくみんなが一度は経験しないといけない人間界での生活、なりすまし研修を

終えて合格した子だけが天使と認められます。

もちろんそのまま優秀な子は人間界で生活をしつつ天界をも行き来できるのです。

こういう子はクラスに数名いるかいないか??いない学年もあるので必然的に選ばれた子は

将来の大天使候補になります。




さて、ゆちょんくんのお目目が赤く腫れてる理由は時間を遡ること3時間前。



普段はお寝坊さんのゆちょんくんも今日だけは目覚ましを5つもセットして朝の6時に起床。

自慢の羽根のお手入れから始まります。

特に今日は念入りにお手入れしてる羽根のお披露目も兼ねてるので気合が半端ないです。

ゆちょんくんのお母さんは生まれた時からあまりの可愛さに女の子のようにそれはもう、愛情込めて

清く正しく美しくをモットーに育ててきました。

生まれつき体が少し弱いのと少し体格が小さいのでお父さんは運動もさせて文武両道を目指しました。

努力家のゆちょんくんは体力こそあまりありませんが、スポーツも勉強もできる優等生に

いままでは育ってきました。

でも本人にとって一番大事なのは「ビジュアル」です。

自慢の羽根が今朝は上手くカールできてない箇所があって朝から泣いていました。

綺麗な大きな目から真珠のような涙をパタパタを落として目も鼻も真っ赤になるほど

泣いていました。

この日のために用意してくれた白のフリルいっぱいのドレスシャツに黒のピチッとした

ミディアム丈のパンツ、それに合わせるような光沢のある黒のブーツ。

そして唯一制服であるジャケットを羽織り自室の窓からお外を眺め泣いていました。




すると朝の静けさを破る耳障りな声が聞こえてきて、涙を引っ込めて身を乗り出して

声の主を探し始めました。

斜め向かいのおうちから聞こえてきます。

じっと見てるとドアがバンッと開いてジュンスくんが飛び出してきました。

その後ろを3歳上のおにいちゃんが手に服を持って追いかけていて

そのまた後ろをお母さんがブラシを手に追いかけています。



「何事??なになの??」




『いやだって!!これでいいからっ、来るなよぉ。捕まるものかっ(^O^)うはんうはん」



〈ジュンス!そんな格好で行けないんだぞ、早く着替えてくれ〉

〈待ちなさい、羽根も絡まってるから梳かさないと、それに髪の毛もなんなのそれ??

 ジュノやぁ、早く捕まえてちょーーだいヽ(`Д´)ノ〉



『だーーかーーらーーこのままでいいんだって。制服あるんでしょ?着たらいいんでしょ?

 ご飯できるまで公園でサッカーしてるから出来たら呼んでよねっ』



そういって玄関から飛び出しそうになったのをジュノくん決死のタックルで

お庭で確保したみたいです。



『ウゲッ・・・重っ・・ぐるじぃぃぃ。離せよぉ』



その瞬間窓から見てるゆちょんくんと目が合ってしまいました。

どうしようかとおろおろしてたら大きな声で話しかけられました。



『なんだよぉ!見るなよぉもうっ。。。イーーーーーダッ(*´`@)プィ』



そのままお父さんとお母さんに引きづられるように家の中に消えて行きました。

じゅのくんが下から



〈おはよう!ごめんねうるさくして。。。じゃまた後でね〉



と手を振って帰って行きました。




生まれて初めて人に怒鳴られたゆちょんくんはびっくりしてまた泣いてしまいました。

しばらく泣いて落ち着いてからさっきの光景を思い出して思わず声を出して笑ってしまいました。



「あの子俺と同じ年なんだ。。入学式行くんだよなきっと・・・

 でも、このままでいい・・・ってアレで??行くの??ぶはぁぁぁ。だっせーーーー」

笑い上戸のゆちょんくんは笑い転げて自慢の羽根のカールのことなど忘れてしまいました。



それもそのはず、さっきのじゅんすくんの出で立ちは?



髪の毛はどうしたらああなるのか意味不明なほど跳ねていた。

羽根は朝だというのにすでに先のほうが薄汚れ、羽並みもおよそ手入れなどしたことないのか

バサバサの不揃いで左右不対称ではっきり言って汚い。

そして服は黄色にピンクの桃の絵がプリントされてるトレーナーに膝が見える丈のショートパンツ。

それに膝には3枚も絆創膏がペタリ。

トレーナーも既に袖が汚れてて食べこぼしなのかな??首周りも汚れてた。

あれでジャケット着て入学式に行こうとしたのか??



「ありえないなぁ。俺ならあんな格好させられるなら死んだほうがましだ。

 あーーあ、笑いすぎてお腹すいた。ご飯食べに行こっと。ママァーーーーーたべるぅ」




すっかりご機嫌になったゆちょんくんは目元が腫れたままだけど自慢の羽根をなびかせて

少し早めに両親と学校に向かいました。

学校に着くともうたくさんの同級生が来ていてみんなかわいい。

しかしゆちょんくんの神がかり的な美しさには勝てる子は居なくて、ほかの子も親も先生も

みんなで見とれるほど。

そう、ゆちょんくんにとって見られるとういうことは生きていく上で重要なビタミンのようなもの。

見られて羨ましがられて綺麗ねぇ・・・って言ってもらえればもらえるほど光り輝くようです。



そこに後ろからなにやら騒がしい足音が聞こえてきました。

周りの子をなぎ倒してゆちょんくんの横を擦りぬけざま羽根でバシッと叩かれてしまい

尻餅をついてしまったゆちょんくん。

羽根でおでこを叩かれ前髪がセットしたのにぐしゃぐしゃにりました。せっかくのパンツにも

ホコリがたっぷり。。ついでに自慢の羽根も少し折れてしまいました。

呆然としていまだ立ち上がれないゆちょんくんに向かって風のような子は振り返り



『もう、邪魔だな。立ちんぼなら端っこでやってよね。それにあれぐらいでコケるなんてひ弱めっ』



「ふぇっ・・・ふぇえ? (; ・`д・´) ナ、ナンダッテー!!」

大人しいゆちょんくんが珍しく怒っていますよ。お父さんとお母さんが走ってきて

ゆちょんくんを立たせて服装と羽根と髪を直して宥めて席に着くように促すけど

ゆちょんくんは口を真一文字に結んでじっとじっと前を睨んでいます。

お友達もみんな口々に噂してます。



(あれだれ??なんだ??)

(非常識な子ね。5人もこけてるよ。後ろで)

(ゆちょんくんまでこけちゃったじゃない) 



(アハハ、この学年一の元気ものがあの子かな?) と先生方がヒソヒソ。



静かに静かに怒ってるゆちょんくんは拳を握り締めたまま席につきました。

横を見るとじゅんすくんが勝ち誇った顔で前を向いています。

でも体はユサユサ左右に揺れて落ち着きない。

そしてなによりも着せられてる白カッターに黄色ネクタイが余りにも似合ってなくて

怒りマックスのゆちょんくんは吹き出してしまいました。

その様子にジュンスくんが怪訝な顔でこっちを向いたので



「その服、おれんちの犬のほうがよっぽど似合ってるよ。君には桃トレーナーがお似合いだね(`3´)」

  



『はぁ?(゚Д゚≡゚Д゚)? なんだって!桃・・桃トレーナーお気に入りなのに。犬??』

 口が開いたままパクパクしててかなりの動揺のようです。



瞬間・・・・・



「いてぇっ!引っ張るなよお、何すんだよっ、こいつ!!!」



こともあろうに自慢の羽根を右から思い切り引っ張って一枚引っこ抜いてしまいました。

その羽根をじゅんすくんはイスに敷いて大きなお尻でグシャと下敷きにしてしまいました。



『あ?羽根、揃ってないのが一枚あったから取ってあげたよ、感謝してよねっ!ひ弱男くん(^皿^)』



こんどはゆちょんくんが大動揺です。



「ぼくの自慢の羽根が。。こともあろうに揃えてカールした自慢の羽根が。。抜かれた。」



魂が抜けたかのように落ち込んでしまい睨みつける力も失せてすっかり意気消沈。

さすがにあまりの落胆ぶりに隣のじゅんすくんもちょっと気になります。



そんなことがあっての入学式を今まさに迎えているのです。



もちろん、ゆちょんくんの心の中では



「この子。。だいきらいだ。ほんとにダーイヾ(*'ω'*)ノキライッ。うるさいし、落ち着きないしイライラするし。

 ついでに学校もきらいになるよぉ。。」

ってすっかり初日から最悪な心境を抱えてしまいました。



一方じゅんすくんの心の中はというと・・・



『こいつうざい。男のくせにきれいにして、力ないしすぐ泣くし、弱っちいし、嫌味言うし。

 でも・・・・いいすぎた?のかな?僕が??』



なんにせよ、二人の出会いは最悪でこのまま同じクラスでやっていけるのかは

これからのおはなし・・・・



天使1






クリスマスの日にリニューアルオープンします。

初めてのおはなしです。
今まで詩は書いていたけど物語は初めて。
どこまで続くかわかりませんが見切り発車です。

しばらく学園ドタバタ内容は実際の体験を使用してます。
自分が経験したこと、家族の経験したこと・・・
ネタが尽きたらピンチですね。
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