2017.02.18
僕の日記と言えば・・・・過去には・・・・
〇月×日 晴れ
朝-いつもの韓定食、納豆
昼-ロケ弁2個、差し入れの菓子パン3個
夜-ロケ弁2個
夜中-ラーメン替え玉、ぎょうざ、からあげ
〇月×日 曇り
朝-移動車の中でおにぎり6個
昼-かつ丼、カレーライス
夜-ロケ弁3個
夜中-差し入れのロールケーキほぼ一本
こんなことを確かに表(おもて)には書いていましたよぉ。
これはこれでれっきとした日記だと思いますが
皆さんに弄られて僕なりにカモフラージュ成功とほくそ笑ましたよ。
これは表向きの日記。
僕の本当に気持ちをつづった日記は
裏から書き綴っていました。
〇月×日 晴れ
今朝は早朝ロケのため5時には宿舎を出なければならなかった。
でも昨夜は宿舎に着いたのが12時過ぎ。
シャワーして寝たのが早くても1時を過ぎていた。
僕はいいとして、ゆちょにひょんが起きてこない。
毎度のことだけど心配だ。じぇじゅひょんがいつも起こしてる。
そっと優しく背中を抱いて宥めるように起こしてた。
顔色がよくないようだ。目の下にクマがうっすら・・・・
まともに寝てないんだろう。
〇月×日 くもり
昨日からゆちょにひょんの具合がよくない。仕事はこなしてるが
合間合間、立ってられずソファーで沈んでしまっている。
食事もほとんど取ってない。
無理やりじゅじゅひょんが飲み物だけは摂取させてる。
ゆのひょんはそんな状態のゆちょにひょんには気付いていないので
一番側にいていっつも左ばかり見てるじゅんすが
知らせにいったようだ。
とたん、ゆのひょんの顔色が変わっていった。
あああ・・・・この人もそうなのか。
〇月×日 晴れ
今日はバラバラで仕事が入っていた。
ゆちょにひょんはじぇじゅひょんと一緒に取材だった。
昨日は少しは寝る時間があったけど、隣の部屋からは
乾いた咳がずっと聞こえていた。
同室のじぇじゅひょんも寝てないんだろうけど
朝からさわやかな挨拶を交わし、消え入りそうなゆちょにひょんを
抱くようにして、迎えの車に乗り込んでいった。
残された3人は会話もなく静かに食事した。おいしくなかった。
〇月×日 雨
一足先に帰ってるはずの2人のひょん。
でも僕とじゅんすが戻ってきたら宿舎には誰もいなかった。
ゆのひょんにじゅんすが連絡取ってくれた。
2人は病院に居るから大丈夫だと知らされた。
取材でじぇじゅひょんが足場の悪いところに居て
体制を崩したのをゆちょにひょんが助けて
ゆちょにひょんが怪我をしてしまったらしい。
軽傷だがじゅじゅひょんの計らいで入院させたようだ。
内心ほっとした。怪我はともかく病院という空間に
ゆちょにひょんが居ることがうれしかった。
薬の力を借りてでもきちんと眠って欲しかった・・・
僕の本当の日記は僕の事を書いてる日がない。
僕の行動を書き残してどうなる物でもない。
毎日同じ事しか書けないだろう。
朝から仕事して夜に帰ってきて泥のように眠ってまた朝になる。
365日似通ったことしかしてない僕たち。
でも僕の大好きな人は、同じことをしていても毎日毎日
変化が見えてしまう。
△月〇日 雪
朝から騒々しいと思ったら
ゆすひょんが防寒着を着込んでいた。
ゆのひょんは呆れた顔をして見てじぇじゅひょんは
手袋をゆちょにひょんにかぶしていた。
窓を見ると真っ白な雪が降っていて、庭にはそこそこの積雪。
2人のひょんは雪遊びに行こうとしているようだ。
「ちゃみなぁ!!お前も来いよ。
一緒に雪だるまつくろっ??なっ??」
「あっは!行ってやれよ、ご指名なんだからっ。」
「はいぃぃ?この僕が雪だるまですかぁ?ハンッ・・・・」
「はい、俺のマフラー貸したげるぅ。いこっ??」
「はいぃぃ・・・・・・」
3人で雪だるまを作った。
せっかく僕が転がしたのをじゅんすがすっころんで
壊すから全然はかどらない。
あいつをどこかに縛り付けておきたい。
僕の横で掛け声だけのゆちょにひょん。
トナカイのように鼻が真っ赤で寒いと言いながらあれこれ指示してる。
僕らのように動けりゃいいものを。
1時間後ようやくできた雪だるま。
最後のお顔はゆちょにひょんの手によって完成。
「これ!!僕じゃないですかぁ!!おっ??」

「ちゃみな、いっつもずっと俺の事みてくれてるから
ソンムルだよぉ。ちゃみなぁ。だいすきだよ。
そして生まれてきてくれてありがとう。
俺のそばに居てくれてありがとう。
特別に俺からの・・・・・ チュッ♡」
「でゅふふ。。ありがとうございます。ユチョにヒョーーン」
「「「ちゃんみなぁ!!ちゃんどらぁ♡ チャンミーン。
誕生日おめでとう!!
ヒョンたちからもあげるよぉ。。キッスゥ!!!!」」」
「ぎゃーーーーーーー来ないでくださいっ!
僕はユチョニヒョンのキスだけで結構ですっ。
絶対にあなたたちのなんて要りませんからぁぁああ」
この日の日記の最後は・・・・
今日は3人で雪だるまを作りました。
ゆすひょん2人では絶対に完成しなかったであろう雪だるま。
出来上がった僕の顔の雪だるまは部屋の外からも
あなたを見守りますよぉ。ゆちょにひょん!

画像お借りしました
〇月×日 晴れ
朝-いつもの韓定食、納豆
昼-ロケ弁2個、差し入れの菓子パン3個
夜-ロケ弁2個
夜中-ラーメン替え玉、ぎょうざ、からあげ
〇月×日 曇り
朝-移動車の中でおにぎり6個
昼-かつ丼、カレーライス
夜-ロケ弁3個
夜中-差し入れのロールケーキほぼ一本
こんなことを確かに表(おもて)には書いていましたよぉ。
これはこれでれっきとした日記だと思いますが
皆さんに弄られて僕なりにカモフラージュ成功とほくそ笑ましたよ。
これは表向きの日記。
僕の本当に気持ちをつづった日記は
裏から書き綴っていました。
〇月×日 晴れ
今朝は早朝ロケのため5時には宿舎を出なければならなかった。
でも昨夜は宿舎に着いたのが12時過ぎ。
シャワーして寝たのが早くても1時を過ぎていた。
僕はいいとして、ゆちょにひょんが起きてこない。
毎度のことだけど心配だ。じぇじゅひょんがいつも起こしてる。
そっと優しく背中を抱いて宥めるように起こしてた。
顔色がよくないようだ。目の下にクマがうっすら・・・・
まともに寝てないんだろう。
〇月×日 くもり
昨日からゆちょにひょんの具合がよくない。仕事はこなしてるが
合間合間、立ってられずソファーで沈んでしまっている。
食事もほとんど取ってない。
無理やりじゅじゅひょんが飲み物だけは摂取させてる。
ゆのひょんはそんな状態のゆちょにひょんには気付いていないので
一番側にいていっつも左ばかり見てるじゅんすが
知らせにいったようだ。
とたん、ゆのひょんの顔色が変わっていった。
あああ・・・・この人もそうなのか。
〇月×日 晴れ
今日はバラバラで仕事が入っていた。
ゆちょにひょんはじぇじゅひょんと一緒に取材だった。
昨日は少しは寝る時間があったけど、隣の部屋からは
乾いた咳がずっと聞こえていた。
同室のじぇじゅひょんも寝てないんだろうけど
朝からさわやかな挨拶を交わし、消え入りそうなゆちょにひょんを
抱くようにして、迎えの車に乗り込んでいった。
残された3人は会話もなく静かに食事した。おいしくなかった。
〇月×日 雨
一足先に帰ってるはずの2人のひょん。
でも僕とじゅんすが戻ってきたら宿舎には誰もいなかった。
ゆのひょんにじゅんすが連絡取ってくれた。
2人は病院に居るから大丈夫だと知らされた。
取材でじぇじゅひょんが足場の悪いところに居て
体制を崩したのをゆちょにひょんが助けて
ゆちょにひょんが怪我をしてしまったらしい。
軽傷だがじゅじゅひょんの計らいで入院させたようだ。
内心ほっとした。怪我はともかく病院という空間に
ゆちょにひょんが居ることがうれしかった。
薬の力を借りてでもきちんと眠って欲しかった・・・
僕の本当の日記は僕の事を書いてる日がない。
僕の行動を書き残してどうなる物でもない。
毎日同じ事しか書けないだろう。
朝から仕事して夜に帰ってきて泥のように眠ってまた朝になる。
365日似通ったことしかしてない僕たち。
でも僕の大好きな人は、同じことをしていても毎日毎日
変化が見えてしまう。
△月〇日 雪
朝から騒々しいと思ったら
ゆすひょんが防寒着を着込んでいた。
ゆのひょんは呆れた顔をして見てじぇじゅひょんは
手袋をゆちょにひょんにかぶしていた。
窓を見ると真っ白な雪が降っていて、庭にはそこそこの積雪。
2人のひょんは雪遊びに行こうとしているようだ。
「ちゃみなぁ!!お前も来いよ。
一緒に雪だるまつくろっ??なっ??」
「あっは!行ってやれよ、ご指名なんだからっ。」
「はいぃぃ?この僕が雪だるまですかぁ?ハンッ・・・・」
「はい、俺のマフラー貸したげるぅ。いこっ??」
「はいぃぃ・・・・・・」
3人で雪だるまを作った。
せっかく僕が転がしたのをじゅんすがすっころんで
壊すから全然はかどらない。
あいつをどこかに縛り付けておきたい。
僕の横で掛け声だけのゆちょにひょん。
トナカイのように鼻が真っ赤で寒いと言いながらあれこれ指示してる。
僕らのように動けりゃいいものを。
1時間後ようやくできた雪だるま。
最後のお顔はゆちょにひょんの手によって完成。
「これ!!僕じゃないですかぁ!!おっ??」

「ちゃみな、いっつもずっと俺の事みてくれてるから
ソンムルだよぉ。ちゃみなぁ。だいすきだよ。
そして生まれてきてくれてありがとう。
俺のそばに居てくれてありがとう。
特別に俺からの・・・・・ チュッ♡」
「でゅふふ。。ありがとうございます。ユチョにヒョーーン」
「「「ちゃんみなぁ!!ちゃんどらぁ♡ チャンミーン。
誕生日おめでとう!!
ヒョンたちからもあげるよぉ。。キッスゥ!!!!」」」
「ぎゃーーーーーーー来ないでくださいっ!
僕はユチョニヒョンのキスだけで結構ですっ。
絶対にあなたたちのなんて要りませんからぁぁああ」
この日の日記の最後は・・・・
今日は3人で雪だるまを作りました。
ゆすひょん2人では絶対に完成しなかったであろう雪だるま。
出来上がった僕の顔の雪だるまは部屋の外からも
あなたを見守りますよぉ。ゆちょにひょん!

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2016.09.02
相変わらず、たまに霊との遭遇をこなしながら、大学生活を謳歌していたとき、
母方のおばあちゃんが亡くなった。
あまり、人様に言えたことではないけど死因は自殺だった。
俺はよく知らないけど、嫁姑問題があったのは事実。
ばあちゃんはそれはもう俺らには、優しくて楽しくて、元気な人だった。
その分気も強くじいちゃんよりパワーがあったほど。
そのばあちゃんが嫁と折り合いが悪く、嫁にいじめられた仕返しに恨みつらみを綴り、自殺したと聞かされた。
ばあちゃん・・・・悔しかったんだな。
死んでから母さんとおじさん夫婦とが喧嘩ばかり。
オヤジも間に入ったけどそう簡単なことは収まらず、結局絶縁状態に突入。
そのおじさんも定年になってすぐに病気で亡くなった。
ある意味、ばあちゃんが嫁に一撃加えたみたいで、自分の可愛い息子を取り戻したんだって
俺は思った。
俺に異変が起きたのはおじちゃんが死んですぐのことだった。
大学を卒業して、親元を離れ一人暮らししてて、もちろんじゅんすやちゃんみんとは
ずっと友達だったからしょっちゅう、うちに入り浸っていた。
ある日も酒飲んで、酩酊状態で寝たのにも関わらず、俺だけ眠れなかった。
ベットで眼を瞑るけど頭は冴えるばっかり。
夜中の3時を過ぎた頃に急に金縛りになった。
久しぶりに霊が何か来たのか?って思いながらも
リビングで行き倒れ状態の奴らに申し訳ないな・・って思える自分もいた。
「だれ??」
そっと声をかけたら枕元に小さな女性が膝を丸めてうずくまって泣いていた。
どこか覚えのある匂いがしたその女性。
もう一度声をかけたら顔を上げてくれて
「ゆちょなぁ。。。。ごめんね」
え!!
俺の名前知ってる霊って?
金縛りが一気に解けて座って真正面に見たら死んだはずのばあちゃんだった。
うれしくてうれしくて、ばあちゃんに抱きついたけど実態はなかった。
ばあちゃんが揺れるだけ。
でもばあちゃんは俺の手を握ってくれた。
触られてる感じはないけど、どことなくぽわーーんと暖かい。
なんでここにいるのか?
なんで泣いてるのか?
聞きたいこといっぱいだけど、泣き止むまでじっと待った。
ばあちゃんの話はこういうこと。
おじちゃんが死んで(その数年前にはじいちゃんも天命を全うしてる)親子でまた暮らせると思って
迎えに行ったけど、じいちゃんとおじちゃんのところには行けなかったそうだ。
じいちゃんとおじちゃんは一緒にいて、呼んでるけどばあちゃんは行けない。
そう、ばあちゃんは自殺だ。
自分で殺めた命はそうやすやすと浄化されない。
天国に行けないって感じなのか、とにかく、一緒には過ごせないんだと。
どうしても天国に行きたければ、過酷で苦しい修行みたいなのをしないといけないらしい。
ばあちゃんは今それに挑んでるそうだ。
でも辛くて、苦しくて、痛くて・・・・
心が折れそうで毎晩こうやって泣いてたそうだ。
同じように天国を目指すものの中に、辛い時に慰めてくれる存在があるという話を聞いて
自分の肉親にも居ないか必死に探したそうな。
本当はかあさんのところに行きたかったけど、かあさんとは波長が合わず、
全くと言っていいほど気づいてもらえなかったって。
唯一波長が合致したのが俺!
その上、俺が見える能力を持ってるって分かって飛んできたらしい。
そして何をしてるかというと、苦しいのを聞いて欲しい、癒して欲しいそうだ。
この日から週一でばあちゃんは来るようになった。
来て、泣いて、愚痴聞いてあげて、最後は笑って帰っていく。
そんな日が3年ほど続いた。
ある日、にっこり笑ってばあちゃんがやって来た。
年季明けしたらしく、明日にはじいちゃんとおじちゃんが迎えに来てくれるって
嬉しい報告をしに来てくれた。
そしてもう二度とここには来れないということも。
ここで癒されていたことはお見通しだったらしく、頼っていたここは、ばあちゃんが天国に召されることで
記憶から消され、ばあちゃんの波長を変えるそうだ。
そうなると、俺とはもう繋がらない。
地獄の思い出は持って行ってはいけないのが前提なので仕方ないけど
俺とはなれるのは寂しいと肩を落としていた。
俺は別にここでばあちゃんと会えなくても夢であえたらいいんだしって
慰めたけど、ばあちゃんはここにもずっと居たかったって・・・・
(ずっと居てもらっても俺は困る)
とは言えないけど、三人で会いに来てって笑って送り出した。
その日からもう5年経つけど、ばあちゃんは現れないし、夢にも出てこない。
その代わり母さんの夢に出たって。3人で母さんを待ってるってさ。
こんな能力を持ってなんの得になるのか?って
ずっと思っていたけど、ばあちゃんが助かってよかった。
その後は何もいいことはない。
友人がへんな宗教に嵌っていると聞いてみんなで助けに行こうと乗り込んだら
あっちの偉いさんに強引に
「あなにはその道が見えるはずです。我々の道しるべとなってください」とか言われ
危うく、ミイラ取りがミイラになるとこだったり、
別の宗教団体に巡り逢えば必ず、勧誘される始末。
それも信者ではない、導く側だ。やなこった!!
そういうところに行くと気分が悪くなるのも俺が拒否ってる理由。
まっとうな宗教なら気分は悪くならない。
寺や神社にいっても大丈夫なのに、そういうところはダメだ。
吐き気がして、マジで吐いたり、頭が割れそうに痛くなったりと健康面を脅かすんだ。
極力そういうところは避け、おとなしく過ごすようにしてるけど、強い怨念や、パワーは受信しちゃう。
その都度、体を壊すけど、だんだんとその能力が薄れてきてる気がする。
自分からアンテナをonにしないと入ってこなくなったんだ。
自分なりのコントロールを覚えたともいうかな??
おかげでお盆ラッシュも前ほどしんどくないや。
ま・・・あれ以来お盆は海外に出るように心がけてる。海外にはお盆ないし、帰ってくる風習もないでしょ?!
遭遇する機会をなくせばこっちのもんだ。
一生消えてはくれない能力かもしんないけど
これも生まれ持った特技の一つとして俺が死ぬまでご一緒しないといけないのかもしれない。
俺には目が2種類ある。
ふたつの瞳。
ひとつの瞳には現実の世界が写る。
もうひとつの瞳にはあちらの世界が写る。
全て見えるわけではないけど、見ようと心を傾ければ簡単に見える。透ける。
波長が合えば会話ができる。
波長が合わなければ傍観することのみできる。
年を取るとともに見える範囲や透ける内容が濃くなってきてるが
この道を極めようとは思わない。
今でもどこからか湧いて出てくる勧誘。
人様のお葬式とかは苦手なのはそういうことからなのかもしれない。
成仏してても死んでから訴えたいことはみんな同じらしく
当たり前のように話しかけてくるんだ。
俺に話して楽になるならそれでもいい。でも俺の話は誰が聞いてくれるんだろう??
家族にもこの能力は話してないオレ。
いつの日かきれいすっぱり消えてくれたらとそれだけを願ってる。
でも、実際のところは日々・・・・・日々・・・・・遭遇する霊の数を増やしてます!
だれでもいい!!強い霊が俺の能力を浄化してほしいなぁ。。
母方のおばあちゃんが亡くなった。
あまり、人様に言えたことではないけど死因は自殺だった。
俺はよく知らないけど、嫁姑問題があったのは事実。
ばあちゃんはそれはもう俺らには、優しくて楽しくて、元気な人だった。
その分気も強くじいちゃんよりパワーがあったほど。
そのばあちゃんが嫁と折り合いが悪く、嫁にいじめられた仕返しに恨みつらみを綴り、自殺したと聞かされた。
ばあちゃん・・・・悔しかったんだな。
死んでから母さんとおじさん夫婦とが喧嘩ばかり。
オヤジも間に入ったけどそう簡単なことは収まらず、結局絶縁状態に突入。
そのおじさんも定年になってすぐに病気で亡くなった。
ある意味、ばあちゃんが嫁に一撃加えたみたいで、自分の可愛い息子を取り戻したんだって
俺は思った。
俺に異変が起きたのはおじちゃんが死んですぐのことだった。
大学を卒業して、親元を離れ一人暮らししてて、もちろんじゅんすやちゃんみんとは
ずっと友達だったからしょっちゅう、うちに入り浸っていた。
ある日も酒飲んで、酩酊状態で寝たのにも関わらず、俺だけ眠れなかった。
ベットで眼を瞑るけど頭は冴えるばっかり。
夜中の3時を過ぎた頃に急に金縛りになった。
久しぶりに霊が何か来たのか?って思いながらも
リビングで行き倒れ状態の奴らに申し訳ないな・・って思える自分もいた。
「だれ??」
そっと声をかけたら枕元に小さな女性が膝を丸めてうずくまって泣いていた。
どこか覚えのある匂いがしたその女性。
もう一度声をかけたら顔を上げてくれて
「ゆちょなぁ。。。。ごめんね」
え!!
俺の名前知ってる霊って?
金縛りが一気に解けて座って真正面に見たら死んだはずのばあちゃんだった。
うれしくてうれしくて、ばあちゃんに抱きついたけど実態はなかった。
ばあちゃんが揺れるだけ。
でもばあちゃんは俺の手を握ってくれた。
触られてる感じはないけど、どことなくぽわーーんと暖かい。
なんでここにいるのか?
なんで泣いてるのか?
聞きたいこといっぱいだけど、泣き止むまでじっと待った。
ばあちゃんの話はこういうこと。
おじちゃんが死んで(その数年前にはじいちゃんも天命を全うしてる)親子でまた暮らせると思って
迎えに行ったけど、じいちゃんとおじちゃんのところには行けなかったそうだ。
じいちゃんとおじちゃんは一緒にいて、呼んでるけどばあちゃんは行けない。
そう、ばあちゃんは自殺だ。
自分で殺めた命はそうやすやすと浄化されない。
天国に行けないって感じなのか、とにかく、一緒には過ごせないんだと。
どうしても天国に行きたければ、過酷で苦しい修行みたいなのをしないといけないらしい。
ばあちゃんは今それに挑んでるそうだ。
でも辛くて、苦しくて、痛くて・・・・
心が折れそうで毎晩こうやって泣いてたそうだ。
同じように天国を目指すものの中に、辛い時に慰めてくれる存在があるという話を聞いて
自分の肉親にも居ないか必死に探したそうな。
本当はかあさんのところに行きたかったけど、かあさんとは波長が合わず、
全くと言っていいほど気づいてもらえなかったって。
唯一波長が合致したのが俺!
その上、俺が見える能力を持ってるって分かって飛んできたらしい。
そして何をしてるかというと、苦しいのを聞いて欲しい、癒して欲しいそうだ。
この日から週一でばあちゃんは来るようになった。
来て、泣いて、愚痴聞いてあげて、最後は笑って帰っていく。
そんな日が3年ほど続いた。
ある日、にっこり笑ってばあちゃんがやって来た。
年季明けしたらしく、明日にはじいちゃんとおじちゃんが迎えに来てくれるって
嬉しい報告をしに来てくれた。
そしてもう二度とここには来れないということも。
ここで癒されていたことはお見通しだったらしく、頼っていたここは、ばあちゃんが天国に召されることで
記憶から消され、ばあちゃんの波長を変えるそうだ。
そうなると、俺とはもう繋がらない。
地獄の思い出は持って行ってはいけないのが前提なので仕方ないけど
俺とはなれるのは寂しいと肩を落としていた。
俺は別にここでばあちゃんと会えなくても夢であえたらいいんだしって
慰めたけど、ばあちゃんはここにもずっと居たかったって・・・・
(ずっと居てもらっても俺は困る)
とは言えないけど、三人で会いに来てって笑って送り出した。
その日からもう5年経つけど、ばあちゃんは現れないし、夢にも出てこない。
その代わり母さんの夢に出たって。3人で母さんを待ってるってさ。
こんな能力を持ってなんの得になるのか?って
ずっと思っていたけど、ばあちゃんが助かってよかった。
その後は何もいいことはない。
友人がへんな宗教に嵌っていると聞いてみんなで助けに行こうと乗り込んだら
あっちの偉いさんに強引に
「あなにはその道が見えるはずです。我々の道しるべとなってください」とか言われ
危うく、ミイラ取りがミイラになるとこだったり、
別の宗教団体に巡り逢えば必ず、勧誘される始末。
それも信者ではない、導く側だ。やなこった!!
そういうところに行くと気分が悪くなるのも俺が拒否ってる理由。
まっとうな宗教なら気分は悪くならない。
寺や神社にいっても大丈夫なのに、そういうところはダメだ。
吐き気がして、マジで吐いたり、頭が割れそうに痛くなったりと健康面を脅かすんだ。
極力そういうところは避け、おとなしく過ごすようにしてるけど、強い怨念や、パワーは受信しちゃう。
その都度、体を壊すけど、だんだんとその能力が薄れてきてる気がする。
自分からアンテナをonにしないと入ってこなくなったんだ。
自分なりのコントロールを覚えたともいうかな??
おかげでお盆ラッシュも前ほどしんどくないや。
ま・・・あれ以来お盆は海外に出るように心がけてる。海外にはお盆ないし、帰ってくる風習もないでしょ?!
遭遇する機会をなくせばこっちのもんだ。
一生消えてはくれない能力かもしんないけど
これも生まれ持った特技の一つとして俺が死ぬまでご一緒しないといけないのかもしれない。
俺には目が2種類ある。
ふたつの瞳。
ひとつの瞳には現実の世界が写る。
もうひとつの瞳にはあちらの世界が写る。
全て見えるわけではないけど、見ようと心を傾ければ簡単に見える。透ける。
波長が合えば会話ができる。
波長が合わなければ傍観することのみできる。
年を取るとともに見える範囲や透ける内容が濃くなってきてるが
この道を極めようとは思わない。
今でもどこからか湧いて出てくる勧誘。
人様のお葬式とかは苦手なのはそういうことからなのかもしれない。
成仏してても死んでから訴えたいことはみんな同じらしく
当たり前のように話しかけてくるんだ。
俺に話して楽になるならそれでもいい。でも俺の話は誰が聞いてくれるんだろう??
家族にもこの能力は話してないオレ。
いつの日かきれいすっぱり消えてくれたらとそれだけを願ってる。
でも、実際のところは日々・・・・・日々・・・・・遭遇する霊の数を増やしてます!
だれでもいい!!強い霊が俺の能力を浄化してほしいなぁ。。
2016.09.01
俺には人には見えないものが見えたり聞こえたりすることがある。
大人になった今はその能力をコントロールしてるし、年とともに能力は
衰えてきてるのか、悩ませることもなくなった。
それでもたまに、強いパワーと遭遇すると数日は寝込むほど疲れるんだ。
最初にこの能力に気付いたのは俺がまだ・・・・小学生のころだった。
俺は2人兄弟。
2つ下の弟と同じ部屋だった頃のことだ。
俺が小学4年生、弟は2年生。
新居に越してきて父方のおじいちゃんとおばあちゃんと同居を始めた。
同居と同時に今までの家になかった「仏壇」とやらも鎮座することになる。
おばあちゃんが信心深く、朝に夕にご先祖様にお経を唱えていたので
俺は覚えてしまい、何故か一緒に唱える毎日・・・・変な子だと親は思ったみたいだ。
ある夜、2段ベットの上が俺の寝場所。
普通年下の弟が上だろうが、うちの場合弟はいわゆる「肥満児」でおれよりも10kg体重は
重く、二段ベットがギシギシと鳴るので怖くて俺は下で落ち落ち寝てられないって
訴えて上下が入れ替わった。
弟は俺には頭が上がらないから文句も言わず下で寝てくれた。
いつもベットに入ってもすぐに寝れる弟と違って俺は寝付きが悪く
30分以上眼がさえてる日が毎日だった。
羊なんていくら数えても寝れるもんじゃないってことは実証済みで
こっそりとコミックを持ち込んで読む毎日。
その時窓に何か影が映った気がした。
その日は月が雲に隠れてて表の街灯がやたらと明るかったのだが
窓に映ったのは白い布のようなもの。
ベランダから洗濯物が舞い込んだのかと思ったので
気にもせずコミックを読み進めていたら今度は天井の角に女性の姿を見た。
普通ならびっくりするか、失神するか、発狂するか・・・・ま、ともかく驚くのが
最もだろうけど、俺はなぜか冷静で声をかけてしまったんだ。
「どこから入った??だれ??」ってね。
素っ頓狂な俺の声にびっくりしたのは相手のほうで、まさか見えてると思わなかったらしい。
それから2人で会話した。
会話と言っても言葉を発するのは俺だけ。
彼女の声は俺の頭に直接語りかけてくるんだ。
体はなぜか動かなくていわゆる「金縛り」状態だったけど不思議に怖くなかった。
彼女はこの世に未練があって去りがたい。
誰かに慰めてもらいたいってさまよっていたらしい。
そして波長の合う俺を見つけて、今晩だけそばで泣いて夜が明ける前に
旅立とうと思って入ってきたそうだ。
まさか俺が見えるとは知らずにだ。
寝不足で翌朝、弟にたたき起こされて昨夜のことを聞いてみたが、彼は熟睡していて
何も知らないとのこと。あたりまえだよなぁ・・・・
この事があってから色々と見える事が分かったんだ。
見えるだけで何かしら危害を加えてくる事はないし、こっちからもアプローチしなければ
会話も成立しないので「ただ見てるだけ」を通した。
でもこの能力のせいで行けない場所が増えた。
いわゆる心霊スポットだ。
そういう所は大体がまがいものだけど、たまに本当に霊が棲みついている所もある。
高校生になり、デートでお化け屋敷に行ったときには大変だった。
迷い込んだ霊が入り込んじゃってて、見えるわ見えるわ。。。。いらっしゃいませ状態。
彼女と「きゃーーー」とか言って楽しむところの状態ではなくなった。
多すぎてうざい!!一気に話掛けるなっつうの。
お盆時期はもっとだ。
帰省ラッシュ同様だ。昨年になくなった清い霊が里帰りするもんだから
霊さまも大渋滞です。
行きも帰りもラッシュにかかってたまに帰りそびれる霊もいて。
高校のころ同級生のじゅんすに一度この能力の事を話した事があった。
なぜ彼に??
うん。彼は他の友達と違って、なんでも疑わず信じてくれるいいやつだ。
この能力も馬鹿にもせず、笑いもせず真剣に聞いてくれた。
でも。。さすがに現実離れしてるのと、彼はクリスチャンだから
怖がりもせず、「今度見えたらその時に教えてよ、挨拶ぐらいするから!」って
言われた。
そのチャンスがやっと来た。
大学生になりじゅんすと後輩のチャンミンを俺の愛車に載せて
走っていた時、町で有名な心霊スポットを通る道を選択してしまったいた。
回避することもできるが倍以上の大周りをすることになるので
意を決して突入した。
ゴルフ場の合間を道路が貫通してるんだが、この道は霊が出没するという
噂のあるスポットだ。
それもあながち嘘ではなく、何人も見てるというお墨付きの場所。
日が暮れる前に通過したかったのに、ここに来る前のふもとで渋滞にかかり
すっかり日が落ちてしまい周りは街灯だけ。
ゴルフ場もクローズしてるので真っ暗だ。
じゅんすセレクトの訳のわからない音楽を大音量に流して通過しようとした時にやっぱり来た。
助手席にチャンミンが乗って後部座席の真ん中にじゅんすが1人で大きく座っていた。
ルームミラー越しに見たら・・・
あははは!!じゅんすやぁ。。隣にきれいな女性が座ってるよ。
お前の肩にもたれかかってるけど重くないか???
ちゃんみんが何か感じたのか、手にしていたハンバーガーを落っことした。
「お!!俺と意識を共有出来る友に巡り合えたかも?」って喜んだが
『おっとと。。バーガーとナゲットはいっぺんに持てないですねぇ。。惜しいなぁ。
共食いしたかったのに。。。ぶつぶつ』
「はぁ…・共食いって、別々に食ったほうがうまいだろうがっ。」
チャンミンは何も感じてなかった。
じゅんすには前に言われてたから路肩に車を止めて報告した。
「じゅんす。。右隣に今まさに、霊がいるよ。
お前の肩にもたれかかって寛いでるけど、感じないか??」
「「ええええええ!!どこどこ??」」
『じゅんすひょん、、1人しか見えないですけど?重いですか?』
『いやぁ。。。。。なにも感じないけど。もしもし?どなたかおられますか?』
おい!見えないのになんで話しかけてるんだよお。
霊がびっくりしてるよ。
「霊がびっくりしてるよ。
この二人には見えないけど俺には見えてますよ。どうして現れたんですか?
成仏出来てないの?このままはつらいでしょ」
『ゆちょにひょん?何言ってるんですか?霊と会話してます?
マジ怖いんですけど。最強でもこれはきついです』
『ゆちょなぁ。。まだいる??俺にとり付かない様に言ってくれよ』
彼女は彼氏に裏切られて自殺した霊。
彼氏とデートで訪れた場所をさまよってるって。
ここはたくさんの同じような霊が居るので寂しくないといって
居付いてるらしい。
でもこのままだとだめなのは自覚してるが、彼が忘れられなくて動けないでいるらしい。
彼女の気持ちを聞くとしばらくドライブに同行させてくれという。
その間に思いを封じ込めて旅立つ用意をするから。。
それを2人に話すと、怖いんだろうけど「嫌です」という言葉を発するのはもっと恐怖だと思い
首を縦に振るだけで了承を得た。
しばらく俺達の行く方角で同乗していた。
その間ずっとじゅんすにもたれかかっていたが、じゅんすは金縛りのようになり
微動だにしなかった。
それをチラ見する俺とチャンミン。彼女は窓の外を見たり、じゅんすに甘えたりと
自由に動いてるが銅像のように動かないじゅんすを見て俺は笑いが抑えられなかった。
急に笑い出した俺にちゃんみんが言葉を発した。それも一生の不覚と言える言葉を・・・・
「ぎゃあああ!!なんですかっ!怖いじゃないですかっ!おっっ・・・・うぐっ・・・ひぃぃぃx」と。
その声にびっくりしたのはじゅんすと彼女。
彼女がくすくすと笑いだし、じゅんすは豆鉄砲食らったハトみたいに口を開けては閉じての繰り返し。
俺はチャンミンの顔がおかしくておかしくて、大笑いしてしまった。
瞬間左わき腹に、ものすごい衝撃で肘鉄を食らって悶絶した。
後ろではじゅんすが見えもしない彼女に話しかけていた。
それを前の2人は耳を澄まして聞くことにした。
「今の聞いた?聞こえたよね?あのチャンミンが悲鳴だよぉ。
一生分の弱み握れてもう、今ホクホクだよ。あいつさぁ、いつも僕のこと馬鹿にするんだ。
僕のほうが年上なのに偉そうーにするから、一度ぎゃふんと言わせたかった。
あああああ!今の録音しておくんだったなぁ。そう思わない??」
ぶはっ!!
俺が噴き出したから彼女が目をまん丸くして話しかけてきた。
ーーーこのかわいい彼がかわいそうですね。いつも馬鹿にされてるんですか?
彼は優しい心の持ち主のようで私は癒されました。
彼には感謝をお伝えください。最後に笑えて幸せに旅立ちます。さようならーーー
「じゅんす!彼女がありがとうって。お前に癒されたから旅立てるってもう出たよ。
リラックスしていいぞ。横にはもう居ないから」
『はぁぁぁ。。。もう僕体が固まってる。誰か動かして。足も腕も自分で動かせない。
ちゃんみん、こっちきて僕を寝かせてくれよぉ』
『なんでですか!このぼくがあなたの言いなりになるもんですかっ<(`^´)>』
『あーーーいいんだぁ。。ふーーん、いいんだぁーー。
さっきの悲鳴のことジェジュヒョンに今すぐに報告しちゃおっと。
きっと喜ぶよな。えーーーーーと。。ジェジュヒョンの番号は???ピポッ』
がしっ!
『どーーーん。。ほらっ、動いたでしょ。端に寄ってください。ほれほれほれ!邪魔だっ』
『痛いなぁ、、もっと優しく動かせよ。何だよぉもう!ゆちょなぁ。。ジェジュヒョンに連絡してよ。
僕の事迎えにマンションの下まで来てって』
「分かったよぉ。もうすぐ着くから着いてからでいいだろ?なっ!」
じゅんすとジェジュヒョンは同じマンションに住んでるからこういう時は都合がいいけど
大抵飲んだくれだから当てにはならない。
きっと今晩もチャンミンが引きずって上がっていくんだろうけど。
マンションまでの間、見えはしないけど本当に実体験した2人に信用してもらえて
俺はうれしかったけど2人は今後二度と体験したくないと言い、
俺とのお出かけは細心の注意を払うか行かないとまで言いだした。
チャンミンにとっては悲鳴を上げるほど怖かったんだろうし
じゅんすは気配だけでも感じたのかもしれない、取りつかれる恐怖もあっただろうしな・・・
でも四六時中この能力を持ってる俺のほうをもっと労わってほしいものだ。
≪後編は明日上がります≫
2016.08.08
「はぁぁぁ・・・俺なにやってんだろ?なんで??今日も・・・はぁぁぁぁ」
小テスト受けてがっくり落ち込んで寮に帰ってきた。
自信はあったのに、感情こめれず指が鍵盤の上を滑っただけで終わった。
もちろん自分で分かってるってことは教授にはお見通しで
最後まで弾くことなくストップかけられて終了・・・・
『ショパン:ピアノソナタ2番第一楽章』
曲はいまの俺の実力なら弾く事はたやすい。
でも弾き手の感情がなけりゃただのBGMで終わる。
悲恋?愛って何?恋って何?
この感情が乗せれない。いいや、乗せれないのではなく、乗せるのが怖い。
そうだ。
俺の悲恋が蘇ってきて泣いてしまう。弾く事が出来なくなるからだ。
高校に入ってすぐの頃。
恋をした。初めての本気の恋。
そして初めての失恋。いや失恋以前に恋にもならなかった言ったほうが
いいだろうか。
好きだと告げる事も叶わず、誰に相談することもなく時とともに
記憶の奥に消し去った悲しい辛い恋心。
その重荷のせいで次の恋にはまだ巡り合えていない。
大学生になり友人から彼女を紹介してもらうが続かない。
友達以上の関係にならないからだ。
リードもできるし、愛想も悪くないはずだ。なのにいつも彼女から
『ねえ。誰を思ってるの?心の奥に秘めてる想い、私あてじゃないでしょ?』
このセリフを言われたら愕然としてしまってもう彼女をリードする事は出来なくなる。
親に見放された子供みたいに固まってしまうんだ。
少なくとも彼女と居る時はその事は忘れてるはずなのになんでだ??
そんなこんなで恋人はいない。友人は男女問わずいるけど・・・
俺の人生ずっとこれなのかな?
卒業までにテストに合格してウィーンに行きたい。
大好きなウィーンでモーツアルトの軌跡を辿りながらピアノを弾きたい。
なのにこの様だ。チケットは2枚しかないのに。
翌日も学校へ行きピアノに向かう。
惰性で弾くこの曲。
「乙女の祈り」
女性的な曲だけど指の慣らしに俺はこれを使う。
綺麗な曲なのに何故か俺は泣いてる。
封印した思い。もう封印が限界なのだろうか。
命を得たように想いが暴れて起き上がり俺の心から出ようとしている。
駄目だ、絶対にダメなんだ。
俺の封印は解いちゃだめなんだ。
そんな思いで弾いていたらある視線を感じた。
そっと振り返ったら。。。
「ゆちょん。。迎えに来たよ」
身長も体格も大人の君。
でも誰かなんてすぐに分かる君。
俺が恋したあの頃の面影がそのままの君。
でもなんでだろう、見えないや。
君と俺の間に雨が降ってるのかな?ぼやけて見えないよ。
ゆっくり近づいてきた君。
そっとそっと鍵盤に載せている俺の手の上から
君が手を載せて奏でる和音。
その二つの手に雨が降ってきた。
低い位置からと高い位置から二つの雨のしずく。
ガーベラの花束をピアノの上の置いて君は言った。
ガーベラを貴方に捧げます。
封印した思い解き放してあげて。
僕とやり直そう。いいや、今から新しく始めよう。
一緒にウィーンに行くよ。
もう離してあげないから。僕の大事な大事な君を・・・・
FIN
「君」はあえて特定しませんでした。
好きな方を当て嵌めてください。
ガーベラの花言葉は色々ありますが
私は「希望、前進」を込めました。
小テスト受けてがっくり落ち込んで寮に帰ってきた。
自信はあったのに、感情こめれず指が鍵盤の上を滑っただけで終わった。
もちろん自分で分かってるってことは教授にはお見通しで
最後まで弾くことなくストップかけられて終了・・・・
『ショパン:ピアノソナタ2番第一楽章』
曲はいまの俺の実力なら弾く事はたやすい。
でも弾き手の感情がなけりゃただのBGMで終わる。
悲恋?愛って何?恋って何?
この感情が乗せれない。いいや、乗せれないのではなく、乗せるのが怖い。
そうだ。
俺の悲恋が蘇ってきて泣いてしまう。弾く事が出来なくなるからだ。
高校に入ってすぐの頃。
恋をした。初めての本気の恋。
そして初めての失恋。いや失恋以前に恋にもならなかった言ったほうが
いいだろうか。
好きだと告げる事も叶わず、誰に相談することもなく時とともに
記憶の奥に消し去った悲しい辛い恋心。
その重荷のせいで次の恋にはまだ巡り合えていない。
大学生になり友人から彼女を紹介してもらうが続かない。
友達以上の関係にならないからだ。
リードもできるし、愛想も悪くないはずだ。なのにいつも彼女から
『ねえ。誰を思ってるの?心の奥に秘めてる想い、私あてじゃないでしょ?』
このセリフを言われたら愕然としてしまってもう彼女をリードする事は出来なくなる。
親に見放された子供みたいに固まってしまうんだ。
少なくとも彼女と居る時はその事は忘れてるはずなのになんでだ??
そんなこんなで恋人はいない。友人は男女問わずいるけど・・・
俺の人生ずっとこれなのかな?
卒業までにテストに合格してウィーンに行きたい。
大好きなウィーンでモーツアルトの軌跡を辿りながらピアノを弾きたい。
なのにこの様だ。チケットは2枚しかないのに。
翌日も学校へ行きピアノに向かう。
惰性で弾くこの曲。
「乙女の祈り」
女性的な曲だけど指の慣らしに俺はこれを使う。
綺麗な曲なのに何故か俺は泣いてる。
封印した思い。もう封印が限界なのだろうか。
命を得たように想いが暴れて起き上がり俺の心から出ようとしている。
駄目だ、絶対にダメなんだ。
俺の封印は解いちゃだめなんだ。
そんな思いで弾いていたらある視線を感じた。
そっと振り返ったら。。。
「ゆちょん。。迎えに来たよ」
身長も体格も大人の君。
でも誰かなんてすぐに分かる君。
俺が恋したあの頃の面影がそのままの君。
でもなんでだろう、見えないや。
君と俺の間に雨が降ってるのかな?ぼやけて見えないよ。
ゆっくり近づいてきた君。
そっとそっと鍵盤に載せている俺の手の上から
君が手を載せて奏でる和音。
その二つの手に雨が降ってきた。
低い位置からと高い位置から二つの雨のしずく。
ガーベラの花束をピアノの上の置いて君は言った。
ガーベラを貴方に捧げます。
封印した思い解き放してあげて。
僕とやり直そう。いいや、今から新しく始めよう。
一緒にウィーンに行くよ。
もう離してあげないから。僕の大事な大事な君を・・・・
FIN
「君」はあえて特定しませんでした。
好きな方を当て嵌めてください。
ガーベラの花言葉は色々ありますが
私は「希望、前進」を込めました。
2010.01.02